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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第25章 二人の部屋・・・

俺の腕の中で…
今度こそ寝落ち寸前なマリア

カクっ…カクっと眠そうに
朦朧としながらも

眉間に少しシワをよせて
切なそうに悶えたり

下半身は俺を締め付けてはなさず
少し…また少し声を漏らして




そんなマリアを見ていられる
その声を一番近くで聞いてられる
最大にして唯一の特等席



俺はマリアをしっかりと腕に抱く






こんなマリアを…誰にも見せてやらない











その昔

禁忌を犯し、禁断の果実を食べた

その男と女は

楽園を追われて

一体どこへ行ったんだっけな?






どこだって・・・いいな…俺なら






二人が落ち延びた先に

もしも…こんな幸福が待っているなら

さっさと追放してくれてかまわない







誰にもジャマされない所で

二人で生きて行けるなら

そこが正に…それこそが

俺たちにとっては〃楽園〃だ






どこだっていい…

どんな地獄だってかまわない



早くその楽園に…たどり着きてぇんだ

マリアと・・・一緒にさ






マリア・・・こいつを

誰にもとられたくない






おっと…それは

そのセリフだけは

俺が言うのはタブーだな?




説得力無しにも程がある

他でもない…この俺が

人様のものを〃横盗り〃したんだから






そんな俺が思う身勝手なこと


〃こいつのいない人生は…考えられない〃




障害があるから燃えあがる?

他人のものだから欲しい?

手に入らないから欲しい?

スリルがあるから楽しい?









バカ言ってくれてんじゃねぇよ…



「そんなのと一緒にすんなよ」
とか?…一々反論する気もねぇけどさ





そんな陳腐なモンに興味なんかねぇ





そう聞いてくるヤツに
逆に聞きたいぜ?





本気で思ったことあるか?
全てなくしてもいい、って


他の何をなくしてもいい
こいつだけは…なくせないんだ、って



誰に何て言われたって

こいつの…俺にだけ見せてくれた
こんな姿を…こんな表情を

なによりは・・・その心を



俺は…他の誰にも見せてやりたくねぇんだ



この先も…ずっと



こんなに可愛くて

色っぽくて…美しくて



マリアのこんな表情(カオ)

俺以外の…どの男にも見せたくねぇんだ

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