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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第25章 二人の部屋・・・

『マリア…お待たせ』


『んふ♪急かしてごめんね?
電話平気なの?』




『マシロだよマシロ…(笑)
大したことじゃねぇから』


『マシロちゃん♪元気かな?』




直線の道路

少し先を歩くマリアに追い付いて
手を繋いで歩く









『ゆぅちゃん・・・大丈夫?』



『え?…なに?』












『ふふ・・・恐い顔してる♪』







『・・・』





予想外に目にしてしまった

胸くそ悪い光景を

少し引きずってたんだろうか









『大丈夫だよ・・・ゆぅちゃん』


『なに・・・が?』







マリアの言い方…雰囲気が

なんとなく

俺の見たものを…知ってるのかも、と



マリアも聞いていた

もしくは勘づいていた…

そんなことを連想させた









『私・・・なぁんにもこわくないから』









『マリア…』




『だから…大丈夫・・・ね?』





そう言ってマリアは
俺を見上げてニコッと笑った


〃笑って?〃とでも言ってるみたいに









〃なにもこわくない〃



マリアのこの日の一言を



なんか俺…



勝手に解釈してた






マリアの雰囲気だったり
色々だけど



なんか、その言い方が






〃禁断の果実を口にしても…こわくない〃






そう言ってるかのように
聞こえたんだ







『〃一緒にいる〃から

なにも・・・こわくないよ』

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