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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第25章 二人の部屋・・・

『ゼェゼェ…ハァっハァっ…~~』



『キャハハハハハっ~すっごく楽しかった♪
ありがとう♪』



『そ…そりゃ…よかったなぁ…ゼェゼェ

ち、ちくしょ…ハァっハァっハァ(苦笑)』



バイクを降りたマリアがメットを脱いで
子どもみたいに微笑んだ







『ねぇねぇゆぅちゃんっ

ここさりげに絶景じゃない?!

写真撮ろうよっ♪』





『あんだと💧?!ゼェゼェ…』





『カメラカメラ♪ケータイ貸してっ?』






『ったく…』






海と青空を背景に

並んだ自分たちに

スマホを向けた








パシャ・・・








並んで…写真なんかとったのも

初めてだった






『見せて見せて~♪』


『わぁーった、わぁーった…』






マリアが俺のスマホを手に
写真を確認した






『あっ・・・』







『・・・あんだ?

ユーレイでも写ったか?(苦笑)』








『鳥が・・・写ってる』









とり・・・?





マリアが目を丸くして覗き込む

その画面を並んで目を凝らしてみる







『なんか・・・すごいよこれ

みて?ゆぅちゃん

飛行機雲だと思ったら…

雲に被さって…鳥が』






俺とマリアの頭の上を

白い飛行機雲が走って


遠近法ってヤツか?

偶然にもそこに重なるように

〃2羽の鳥〃が…

キレイに写り込んでいた






『すごい…!飛行機と被ってるよ?!』



『ほんとだ…渡り鳥かなんかか?』






偶然撮れた

その一枚の画像


中々感激して

しばらく見入ってしまった







『いい写真~♪送って送って?』



『お前ケータイねぇだろうが』



『ぁ、そぉだぁ(泣)

じゃ、ゆぅちゃんの待ち受けにしてよぉ』





『やだよ、ダッセェ
ガキじゃあるまいし・・・』






『ム・・・もう大人なのに
一々ガキガキ言う方が
よっぽどガキみたいだよぉ~だ!』







『うっ・・・(汗)』





膨れっ面のマリアの横で

渋々…スマホの壁紙設定を操作する俺…(苦笑)

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