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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第26章 運命は・・・先着順?

『まぁ…時間も時間だけどさ
緊急って言うか・・・その』



こっちに着いた時点で既に深夜…

電話なんてかけるには
中々の無礼な時間帯だ





『~まぁ…自分の…親だから
そこだけは…多目に見てって言おうかな(苦笑)』




『クス…~じゃぁさ、俺…そこのホテル
部屋とってきてやるよ♪
その間に電話してろよ』




『あぁ…っ、もぉいいってゆぅちゃん!
ゆぅちゃん…明日仕事なんだよ?

疲れてるでしょ?
もう…大丈夫だから…ね?』





ボーっとしてりゃあっという間に
日付も変わってしまうであろう時間


だけど不思議と…疲れなんてモンを
感じなかった


肉体的にも…精神的にも



この先に待つ不安や
寂しく思う気持ちを除けば


長くて楽しい休暇を終えて
仕事や家庭…そんな日常に帰っていく
世間のやつらとおんなじ気持ち

明日から仕事かよ、だりぃなぁ~なんて
おんなじ感覚な気がしていた





『ヘーキだって…♪
それより・・・まず、心配なのはさ
マリアの方の・・・』



『・・・』



『?…マリア・・・ほら
ご両親に…一言でもいいから
連絡だけはしてきてくれよ
安心して…帰れねぇじゃねぇか俺…』






『・・・ゃ』








『マリア・・・?』










『いや・・・』










『マリア・・・』









『そばに…いたいよ』







『・・・っ』









『ゆぅちゃんといたいよ…っ

はなれたくないよぉ…っ・・・ 』

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