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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第26章 運命は・・・先着順?

『ハァ…っ、ハァ…っ』


マリアは電話ボックスに向かって走った





〃ゆぅちゃんはお仕事だ…

早く…帰って休んでもらわなくちゃ〃





少し高鳴る鼓動を抑えて
マリアは電話ボックスの扉を引いた



キィ・・・パタン




『ぁ・・・あつい』




夜とは言え…日中の日射しを浴び続けた
狭い空間というのは
熱や湿気が籠って中々の温度だ




キィ・・・




マリアはドアを開け
足を挟んで止めて
受話器を手にとった




〃なんて・・・言おうかな

お母さん…電話でるかなぁ…〃






『あ・・・』




滅多に使わない公衆電話を前に
マリアは少々手間取っていた




〃お…お金、いれてないし(苦笑)〃




マリアは慌てて財布を開けて
小銭を拾いあげていく










コンコン・・・






『・・・?』





後ろからする音に
マリアはその手を止めた



〃ゆぅちゃん・・・?〃









コンコン・・・コン




電話ボックスのドアを叩く音






『・・・』





〃え・・・〃






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