マリア
第14章 虚飾曲
和「はあ…気持ちよかった。」
俺の唇の上に落ちてくる二宮の薄っぺらな唇。
和「ふふっ。アンタも気持ちよかった、って顔してる。」
膨れ上がる罪悪感。
膨張しすぎて、何度も破裂を繰り返した性欲。
和「ぶっ!!ウッソ、泣いてんの?」
「…るっせぇよ。」
和「ウチのお兄さんに大野さんのバージンを捕られちゃったから?」
「いいから退けよ!!」
俺に跨がったまま薄ら笑う二宮の胸元を力づくで押し退けようと手を伸ばす。
が、難なく、二宮に払い落とされる。
和「…だから言ったじゃない。無理矢理ヤっちゃいなさい、って?」
「……っ!?」
和「アンタがモタモタしてっからアイツに盗られちゃったんでしょ?」
腰を浮かせ、自分のナカに突き刺さったままの俺のモノを抜き取ると、
二宮はパソコンの前に座った。
和「ちょっと、こっち来てみなよ?」
やんわり体を起こし、パソコンの画面を指差す二宮の隣に陣取る。
和「これ…俺のお兄さんの部屋。」
盗撮……!
和「…連れ込んだところから一部始終見させてもらいましたよ。」
智とあの医者が…
和「すんごい興奮した。あんな綺麗な人たちがケダモノみたいな声だしてセックスしてんだもん。」