マリア
第1章 葬送曲
個室のドアが閉まると智が振り向き、
顔を引き寄せキスをしてきた。
甘い声を上げる智の体を壁に押し付け、
夢中でその唇に吸い付く。
歯列を割って舌を絡めとると、ため息のような声が耳を擽って、
手をシャツの中へと入れ、指先が胸の先を掠めるよう動かすと、
智は、
こんな時でないと聞けないような、1オクターブ高い、なだらかな甘い声を洩らした。
智「ぅんっ…しょ…く…ん。」
瞬間離れる唇。
顎を引き寄せまた唇を塞いだ。
口づけながら絡めてくる綺麗な五指。
そいつを壁に貼りつけるようにして智の唇を味わう。
唇を解放してやると、
智はそのままその場所にしゃがみこみ、俺のズボンに手をかけ、下着ごと引きずり下ろす。
智「フフッ。もうこんなにしちゃって。翔くんてばヤらし。」
僅かに上向いた俺のモノに添えられる、智の綺麗な指先。
見下ろす俺の顔を見上げながら、智は俺のモノをゆっくりと口の中に収めていった。
生暖かい智の口の中で巻き付けられる智の舌。
「あっ…さ…とし…」
上目遣いで見上げる目と目が合う。
その目がすぅーっと細くなった、と思ったら、
射精感を煽り立てるように舌尖で鈴口を突っついてきた。
「あっ…ま、まって…」
でも…
達しそうになる寸前、智は口の中から俺のモノを抜き去り、
てらてらと光る唇の回りを、赤い舌で舐めとった。