マリア
第1章 葬送曲
「やっ…あっ…」
智は片手を壁につき、苦し気に目を閉じた。
もう片方の手を、自分の腰を支える俺の手に重ねる。
俺は、迷うことなくその智の手を握りしめた。
「しょ…もっ…と…もっと…あっ…!!」
最奥を突くように腰を打ち付けると、智の細い体がしなった。
「はっ…あっ…あっ…い…イっちゃう…」
俺と智の結合部分に見え隠れする赤黒い俺のモノが、
智の白い双丘の間で粘ついた光を放つ。
「はあ…んっ…も…だめ…」
壁を白い飛沫で汚したあと、智の体が壁をずるずると滑りおちていった。
その後を追うように、智のナカに欲を放った俺も、智のナカから出てゆく。
「翔くん…」
背中をこちらに向けたまま智が俺の名を呼ぶ。
「寒い…まだ寒いよ…翔くん。」
「智…」
小刻みに震えだす背中。
「こっち来て…温めてよ翔くん…。」
覆い被さるように智の体を抱きしめる。
「温かい…」
抱き締める腕に力を込めると、智は恍惚とした表情を浮かべながら目を閉じた。
智…
俺たちのいる場所はどうしてこうも暗くて寒いんだろうね?