同窓会 SN
第10章 ボジョレーヌーヴォー1 和也
1-1
もうすっかり冬の空気になった12月の始め
「翔、俺さ、明日 課の飲み会だから遅くなるんだけど・・・どうする?」
「へぇ・・・珍しいな、お前が出席するなんて」
「ん、早目の忘年会と兼ねて、延び延びになってた俺の歓迎会もやってくれるって言うから」
「そっか、随分馴染んだみたいだな、よかった。
じゃあ 終わったらウチに来いよ」
「わかった、じゃあ 終わったら連絡するから」
そんな風に話を畳んだつもりが、翔がにやりと笑いかけてくる
「ところでお前、女子社員から無愛想って言われてるらしいぞ」
「マジで?・・・ってまぁ・・・、愛想がイイとは言わないけどさ・・・」
屋上でのサボリ・・いやいや、休憩中に翔が聞いたという言葉には苦笑いするしかない
俺としては 特に無愛想にしてるつもりはなかったんだけど、社長である翔の友人だってことはみんなも知ってるみたいだから、余計に仕事で結果出したくて
・・・やっぱり余裕がなかったのかもしれないなぁ。
新しい環境での新しい仕事に 早く慣れようと一生懸命で、いつも難しい顔してたかも知れないし
せっかく、仕事帰りに軽く飲んで行こうって誘ってもらっても まだ仕事が残ってるから・・・と、2~3回断ったような気もする。