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同窓会 SN

第53章 大阪5 和也



小さなため息をついて翔が続ける。

「俺たちが今こうしていられるのは正博さんのおかげだと思ってる。
・・・その正博さんが、昨日亡くなったって・・・。家族だけで見送るから、と連絡をもらった。もう、何年も会ってないのに、あの人は時々俺のことを懐かしそうに話して、気にしてくれてたって。“ ちゃんと大切な人の手を捕まえただろうか・・・ ”って・・・」

「翔・・・」

「俺は 正博さんが倒れたまま意識不明になってることも知らないで・・・それどころかあの人が東京を離れてから、忙しさを理由にロクに連絡も取らずに・・・」
「もういいよ、翔」

「忙しいなんて・・・理由にならないのに・・・俺・・・」
「もういいって」


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