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同窓会 SN

第63章 新年5 翔



しかし、店に到着して個室で二人きり。
オーダーも済ませたところでトイレに立った俺は 思いがけない人物とばったり出会ってしまう。

壁にもたれて携帯を触っている姿は 芸能人にしては無防備すぎる


「智?」
「あれ、翔。・・・久しぶり、今日は?正月早々仕事?」

「いや、あの・・・プライベート・・・」
「そっか、いい店だもん、デートだよな」

「あ、まぁ・・・。智は?仕事なの?」
「半々かな・・・、前にやったドラマ評判良かったから、続編か映画でもやりたいね、ってプロデューサー達と盛り上がっててさ。実際はなかなかみんなのスケジュールが合わないんだけど SPドラマならいけるんじゃない?とか言い出すから、まぁ士気を高めるつーか景気づけみたいに飲もうってことで・・・」

「へぇ・・それ、ハッキリ決まったら教えてくれよ、ちゃんと見るから」
「ありがと。連絡するよ、じゃあまたな」






どうやら誰かに電話をかけようとしていたとこらしく 
智は俺に手を上げながら携帯を耳に当てる。

背中を向けた智の声が 小さく聞こえてきた。



「もしもし、かず?」




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