同窓会 SN
第70章 呟き1 智
かずはそんなにこってりしたもの好きじゃないから 和食の方がいいだろうと、
馴染の料亭「坂下」を予約しておいた。
マネージャーに 神楽坂で落としてもらってかずを待つ
いつも心配されるけど、キャップを深く被ってれば 俯いてスマホを弄ってる俺に気づく人なんてほとんどいない
でも、かずが来て、俺の肩をとん、と叩き、小さな声で名前を呼ばれた時
嬉しくなって つい大きな声を出してしまった
「かず、お疲れ!早かったな」
「シッ・・・バカ」
俺の事、密かに気にしてた人も居るみたいで、周りの視線が一気に刺さる
あれ、大野君じゃない・・・?という静かなざわめきが広がる中
「ヤバ・・・行こう」
かずの手を握って走り出した