
同窓会 SN
第72章 桜2 翔
それとは対照的に 俺の方は
「お前、智の家に泊まったの?」なんて訊くことは勿論
「今そこで智に会ったよ」と報告することさえ躊躇してしまい
どうすべきかなぁ・・・なんて考えながら 歩き始める
当然口数は少なくなり、横を歩く和也が そんな俺の様子に気づき
心配してる雰囲気も伝わってくる
押し黙って歩くこと、決して和也の気を引くための演技じゃないんだけど
俺の態度の変化に 細やかに気づいてくれることは やっぱりちょっと嬉しい
・・・なんて
恋するオトコは なかなかに面倒くさい生き物だな
自分の事なのに まだ未知の領域がありそうで、コイツは奥が深いぞ、と苦笑い
素直になってさらっと聞けたら 楽になることは、百も承知なんだけどなぁ・・・
