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好き心少なからず

第9章 想いを込めて~入江希美の場合~

「あ。宇野くんも割烹着なんだ」

その声の方を見ると、ちいちゃんも割烹着を着ていた。

え!?お揃い!?

「ちいもそれか?」

「せっかく作ったんだから、着なきゃ勿体ないもん」

「この為に買うのも勿体ないしな」

宇野くんがそう言って笑う。

その声が、自分の考えを否定されてるみたいに聞こえる。

ふぅ…とため息をつくと

「大山中出身者が分かる光景」

輝穂ちゃんがぼそりと呟いた。

「え?」

そう言う輝穂ちゃんも割烹着だ。

「大山中学で、被服の授業で全員作ったのよね」

「へぇ…うちはエプロンだったよ?」

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