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好き心少なからず

第2章 大丈夫?~姉ヶ崎×田口~

「あ、ごめん。もし良かったら座らない?」

男の子は荷物が置いてある座席を指差した。

「さっきから見てたんだけど、気分悪いんでしょ?」

席を譲ってくれるのか。

優しい人だな…。

だけどあと少しだし、座るためにはあそこまで歩かなきゃいけないし。

「大丈夫、です」

座ったとしても2分もない。

だったら立ってた方がましだ。

働かない頭をフル回転させて返事をしたのに、男の子は勘違いをしたようだ。

「大丈夫って言う人は、大丈夫じゃない事が多いんだよ」

さっきも何だかそんなような話をしてたよね?

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