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好き心少なからず

第12章 思いを込めて~二階堂絢音の場合~

「…うん」

新田くんは真顔で口の端をキュッと引き締めた。

「そう。新田くんがそれでいいなら」

あっさり引き下がると、新田くんは一瞬私を窺うような目で見た。

これはもしかして…

「ねぇ」

私から目を反らし、何かを納得するように小さく頷いてる新田くんの顔を、わざと覗き込むように見ると

「大護の事、気になる?」

「え!?」

驚きで目を丸くした新田くんに笑いかける。

「気になるんでしょ?」

「いや、そんな…」

「私と大護が付き合ってるとか考えてない?」

上目遣いで顔を近付けて新田くんを見ると、新田くんは顔を赤くして後退りした。

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