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好き心少なからず

第14章 失敗作?~栗原×速水~

「あ、大丈夫だよ?」

そう言うと、先輩が俺と距離をとって端に座り直してしまった。

「すみません。今日、調理実習があって」

「あ…エプロン?」

「鞄にどうしても入らなくて」

こんな荷物のせいで先輩に気を使われてるのも、先輩と隣り合わせの距離が離れたのも腹立たしい。

わざと脇に寄せた袋を押し潰すと

「へぇ…どんなの?」

先輩が袋を覗き込んできた。

自然と距離が近くなって、先輩の髪がさらりと揺れる。

うわ。めっちゃいいニオイ。

「黒の…」

「カフェ風?」

ぱっと俺を見上げた先輩と目が合う。

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