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好き心少なからず

第14章 失敗作?~栗原×速水~

「あ…と」

袋を握りしめて…でも、状況は変わらない。

息を吐くと、口を横に大きく開いて笑ってみせた。

「失敗しちゃいました」

「あ…そうなの?」

「はい。ベーキングパウダー入れ忘れてて」

あははっと声を出して笑うけど…ちょっとわざとらしい笑い方になってしまった。

ため息がこぼれて、慌てて口元を引き締めると、先輩から視線を反らす。

別に何か約束した訳じゃない。

だけど…

『カフェ風エプロンでカップケーキ作ったら、さまになるのに』

さまになる前に作れなかったって…マヌケ過ぎる。

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