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好き心少なからず

第15章 お弁当~八神×岸田~

「じゃ…もらっていいか?」

「はいはい、どうぞ」

完全に気落ちした。

人の好意を何だと思ってるんだろう?

不貞腐れて適当な相槌をつく。

そんな私に気付かない先生は、にこにこしてお弁当の蓋を開けた。

「わ…旨そう」

その一言に、モヤモヤした気分が浮上してしまう。

「…そうですか?」

「輝穂が作ったのか?」

「そうですけど」

昨日の夜、冷蔵庫の中身全部チェックして、渋るお母さんを横目に仕込みをしたのよ?

「すごいな」

「そうですか?」

我ながら単純だと思う。

けど正直、嬉しい。

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