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好き心少なからず

第15章 お弁当~八神×岸田~

先生の足下の本を脇に寄せて、先生の足を救出できた。

「おー、やっと動ける」

呑気に本を積み上げ始めた先生に、不満を込めて言った。

「もう…雪崩れなくて落下してきたら、それこそ怪我じゃ済みませんよ」

そんな私の嫌味も、先生は笑い飛ばした。

「本で圧死は嫌だなぁ」

相変わらず呑気なんだから!

ため息をついて、近くの本を積み直していくと、

「さっきは悪かった」

「え?」

「不可抗力だけど…そんなの言い訳にしかならないもんな」

改めて言われると…

さっき、先生と抱き合うくらい近かったのを思い出してしまう。

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