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好き心少なからず

第20章 こんな場所~新田×二階堂~

「何がヤバイんだ?」

絢音が見れなくて、今井に照準を合わせると

「今日、塾なの忘れてた!遅刻する!!」

喚きながら自分の席の荷物を鞄に詰め込んでいる。

「あ…そっか」

球技大会の練習が時間通りにいかなかったのか。

やっぱり各競技でリーダー決めないとダメかもな。

「慌てずに行けよ」

「慌てなきゃ間に合わねぇよ!」

鞄を左手にまとめて持つと

「ごめんな。ごゆっくり!!」

右手の人差し指と中指を立てると、自分の頭にちょんと当てて、笑いながら出ていって…

そして、教室には、僕と絢音だけが残された。

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