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好き心少なからず

第20章 こんな場所~新田×二階堂~

だけど、明らかにさっきとは雰囲気が違う!

「ごゆっくりって…」

ははっと渇いた笑いを浮かべても、絢音は何も語らない。

…どうしろって言うんだ!?

「絢音は…まだ帰らないのか?」

僕の問いに、絢音は一瞬眉を下げた。

だけど、それは本当に一瞬で…

「そうね…もう帰った方がいいかしらね」

そして、僕を見ないで自分の机に向かうと、荷物をまとめ始めた。

さっきの続きが言い出せる状態ではなくて。

勇気を振り絞ると、絢音の傍に寄った。

「だったら…一緒に帰ろうか…?」

かすれた僕の言葉に、絢音の手が、止まった。

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