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好き心少なからず

第21章 頑張るしかない~八神×岸田~

「じゃあ輝穂の試合は見れないな」

「え?」

「ほら、俺はテニスの手伝いだからさ」

テニスコートと、卓球をやる武道場は少し離れた場所だ。

試合の合間に見に行けるような距離じゃない。

「先生、テニスなんだ」

そんな話、知らなかった。

「だったらテニスにすればよかった」

つい正直に気持ちを口にしたら、先生は目を丸くした。

「へ?」

…しまった。

「あ、だってそうすればちょっとはおまけしてくれるでしょ?」

先生と一緒にいたいとか、姿が見たいとか。

本当の気持ちはそうだけど…

そんな事、言えない。

言えないかわりに慌てて言い繕うと、先生は苦笑いを浮かべた。

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