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好き心少なからず

第22章 イイコト~梶×宮下~

だけど、それが妙にはまりそうな位楽しい。

最後、お互いに目を合わせてリズムを探って。

花夏がカホンを打ち鳴らす。

俺も左手で弦を押さえたままスライドして、締めの音を奏でた。

「おしっ!!」

「結構上手くいったね」

「そうだな」

ハイタッチして笑い合うと

「よかった」

花夏はカホンから降りると、今まで座っていた場所を撫でた。

「今度の演奏会で使えそう」

「それで、か」

急にこんなもの作ろうなんて言い出したのは。

確かにドラムの音よりも、カホンのように柔らかい音の方が、ホールでの演奏に合いそうだけど…

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