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好き心少なからず

第23章 匂い~新田×二階堂~

だけど、素直にそんな事を言えなくて、つい憎まれ口を叩いてしまうと

「新田くんが本当に嫌ならしないわよ?」

僕を見る絢音の目が、柔らかくアーチを描く。

何もかもお見通しとでも言いたげな瞳に、僕は顔をしかめて…

分かってるんだ。

絢音にはどうしたって敵わないって。

だけど絢音の手のひらで転がされてるのも癪で。

せめてもの反逆心を見せたくて

「どうせならこっちがいい」

恋人繋ぎで繋がれた指に力を入れて、手のひらをぴったりとくっつけた。

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