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好き心少なからず

第23章 匂い~新田×二階堂~

絢音の手のひら。

柔らかくて、手触りがよくて…

どくん、どくんと心臓が高鳴って、妙に緊張してきた。

汗、かいたら…引くよな!?

「新田くん…」

小さな声で僕の名前を呼ぶと、絢音が添えるように手を握り返してきて…

「私も、その方が…いい」

絢音のたった一言。

それだけで赤くなってしまった顔を見られたくなくて、急ぎ足で歩き出した。

図書館まで…絢音の手を引いたまま。

ずっとそのままでいた。


【おしまい】

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