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好き心少なからず

第24章 君さえ良ければ~姉ヶ崎×田口~

最悪だ。

バス停の待ち合い所にあるベンチに座って、ふうっとため息をつく。

バス酔いは相変わらずだ。

吐くほどじゃないけど、胃の部分がどんよりと重たい。

ハンカチで口元を押さえて、気持ち悪さをこらえながら浅く呼吸を繰り返す。

好きな香りを嗅げば気分が落ち着く。

そんな話を聞いて、ハンカチにグリーンシトラスのコロンを付けてきた。

だけど、それを口に当ててるのに…

ちっとも効かない。

キモチワルイ。

これはきっと、バスのせいだけじゃない。

放課後、球技大会の練習をしたから。

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