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好き心少なからず

第24章 君さえ良ければ~姉ヶ崎×田口~

田口君、呆れちゃった?

絶句されたのも、まるで『出来ない子だ』って言われてるみたい…

顔をしかめる田口君から顔をそむけてしまうと

「…グリップの持ち方が違うのかな」

田口君はぼそりと呟き、自転車からテニスラケットを持ってきた。

「手、貸して」

広げたままの右手を下から支えるように持たれて、心臓が跳ね上がった。

驚いて田口君を見てしまうと

「姉ヶ崎さん、握ってみて」

テニスラケットのグリップ部分を私に向けた。

…はい?

田口君を見て、グリップを見て…

もう一度、田口君を見つめる。

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