テキストサイズ

好き心少なからず

第24章 君さえ良ければ~姉ヶ崎×田口~

「よかったら…」

田口君が何かを言いかけた。

その時。

大型車特有のエンジンの振動音を響かせて、私たちの横に路線バスが滑り込んで停まった。

「え?」

何で今?

バスから乗客が5人降りてくる。

田口君も話すタイミングを失って、自然と会話が途切れてしまって…

ふと気付くと、バスの運転手が探るようにこっちを見てる。

「あ、乗らないです!」

慌てて顔の前で手を振ると、運転手は1つ頷いて、バスの乗車口を閉めた。

バスが走り去り、乗客もそれぞれの方向へ立ち去っていく。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ