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好き心少なからず

第25章 ミニコンサート~梶×宮下~

バスの中で忠告したのに、ちっとも分かってねぇ!

口をへの字に曲げて花夏を睨む。

だけど俺の視線に気付かない部長たちは、一同に盛り上がってはやし立ててきた。

「えー!?やるわね」

「さすが彼氏だね」

「そんなんじゃないです」

重い荷物を持っているなら、それが友達でも、妊婦さんやお婆さんでも声はかけるだろう。

彼女だからトクベツって訳じゃない。

…ってか、彼女でもないんだけど。

言うに言えない言葉を胸の中で抱え込むと、何故か律さんがため息をついた。

「律さん?どうしたんですか?」

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