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好き心少なからず

第26章 ライバルだな~栗原×速水×曽根崎~

先輩が俺の手元を覗き込んだ。

「なに読んでたの?」

「あ、これ?」

表紙を先輩に見せると、先輩がやっぱりと呟く。

前に先輩に薦めてもらった本だ。

洋書で、ミステリーで、登場人物も多いし、皆ひとくせある性格で、読んでて面白い。

面白いんだけど…

「誰もかれも怪しくて、関係性が難しいっす」

「ん…出てくる人数も多いしね」

「そうなんですよ!アイシャって誰だった?ってちょっと前まで戻って読み返したり?」

「あ…あー、アイシャね」

この本を読み終わった先輩は、俺の言いたいことが分かったらしい。

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