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好き心少なからず

第26章 ライバルだな~栗原×速水×曽根崎~

「あ、うん。曽根崎くん」

先輩の口から即座に名前が出て、それがちょっと意外だった。

「知り合いですか?」

同じ3年だし、知っててもおかしくはない。

だけど…

「前、同じクラスだった」

引っ掛かりを覚える俺に気付くこともなく、先輩はさらりと話す。

「本読むの好きみたい。よく図書館で会うよ?」

「あ、そうなんですか?」

前、って事は、今は違うって事だよな。

よく会う?

よく、って…どれくらいの頻度で?

先輩の言葉を勝手に深読みしてしまい、それで変に焦ってしまう。

腕組みをして考え込んでいると、先輩が俺の顔を覗き込んだ。

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