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好き心少なからず

第30章 球技大会4(曽根崎)

「でも、手は抜かないからな」

そう言うと、速水はこくんと頷いた。

「試合だもんね」

…やっぱり分かってない、か。

速水の返答に、あきらめてため息をつく。

テニス初心者に近いような奴に本気出すなんて、本来ならやらない。

ましてや球技大会なんだし。

だけど…理由はそれだけじゃない。

「それくらい、分が悪いんだよ」

「え…?」

キョトンと首をかしげる速水に、首を振って苦笑いを浮かべると

「ほら、行くぞ」

徐々に集まりだした人の中へ、速水を誘った。

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