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好き心少なからず

第31章 球技大会5(姉ヶ崎)

しなやかに右手が弧を描く。

スパン!!

小気味いい音と共に撃ち込まれたサーブは、サービスラインの内側ぎりぎりでバウンドして…

「15ー0!」

相手は一歩も動けずに、目でボールを追うだけ。

審判のコールがコートに響く。

「すご…」

鮮やかな動きに、瞬きも惜しく感じる。

田口くんをそのまま見続けていると、ボールを受け取って顔を上げて…

え!?

こっちを見て…笑った…?

どくん、どくん…

心臓の音がものすごく大きく聞こえる。

私を見つけて…笑ったの…?

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