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好き心少なからず

第32章 球技大会6(田口)

その姿を目で追って…あ、見つけた。

「試合見てたら変わったかと思ったのに」

見慣れない赤色のジャージを着て、肩にかかる位だった髪は、ポニーテールに出来るほど伸びてる。

「相変わらずなんだね、泰博」

小首を傾げるように僕を見上げる癖も。

そっちこそ、相変わらずじゃないか。

「…香澄」

その名前を呟くと、カズが目をぱちくりさせた。

「…って…へ!?」

「見てたのか」

「クラスの応援。叩きのめされたけどね」

そうか。

さっきの相手は香澄のクラスだったのか。

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