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好き心少なからず

第32章 球技大会6(田口)

「緊張してると動きが悪くなるから、手を握ったり開いたりしてみて」

左手でグーパー運動をしてみせた。

「こういう指先の運動するとか、体をほぐすといいよ」

「あ、うん…ありがと…」

僕のタイミングに合わせて、姉ヶ崎さんも手を動かした。

真剣な顔つきで手を見て動かしてるから、何だかおかしくて…

その時、後ろからクスッと笑い声が聞こえた。

え!?

笑い声がした方を振り向くと

「あ、ごめんなさい」

この声。

人に埋もれて見えなかったのに…声で誰だか分かってしまった。

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