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好き心少なからず

第33章 球技大会7(新田)

熊崎に背中を押されて、はずみで歩き出した俺に、今井が呑気に呼び掛けてきた。

「試合までには帰ってこいよ」

「分かってる!!」

全く!

苛立ちを隠しきれないまま返事をすると、急ぎ足でグラウンドを横切る。

そんな僕の後ろで

「相変わらず心配性」

「本当に『おかーさん』だよな」

二人の半分呆れたような声が聞こえた。



今井のやつ!

誰がお母さんだっての!!

ムッとしたまま…それでも足は武道場へ向かっていて…

仕方ないだろ!?気になるんだから!!

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