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好き心少なからず

第33章 球技大会7(新田)

グラウンドを抜けて、校舎の脇を素通りして右に曲がった時

「あれ?新田くん?」

突然、目の前に絢音が現れた。

「絢音?」

何でここにいるんだよ!?

目を丸くした僕に、絢音は残念そうな目を向けた。

「試合、終わっちゃったの!?」

何だよ、それ。

「とりあえず勝った」

「そうなんだ」

ほっとしたように息をつく絢音に、何故か違和感を覚えてしまう。

「そっちは?」

その問いに、絢音はへらっと笑顔を見せる。

「聞く?」

その態度…聞くまでもない。

「…負けたのか」

ため息混じりに呟く。

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