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好き心少なからず

第35章 球技大会9(岸田)

消え入りそうな輝穂の問いは、宇野に向けられたと言うより、苛立ちを表したように見えた。

何でそんな表情をしているんだ?

それでも宇野は諦められないようで

「八神!!頼む!!」

頭を下げたまま、両手を打ち合わせて輝穂を拝みだした。

「俺と試合に出て欲しいんだ!!」

は?

試合??

思わず目をぱちくりさせてしまう。

試合って…テニス?

合点がいって…その途端、頬が緩んだ。

何だ。てっきり…

ん?

てっきり…何だよ?

何でホッとしてるんだ?

思い悩む俺の前で、輝穂は眉をしかめていた。


【おしまい】

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