テキストサイズ

好き心少なからず

第36章 球技大会10(入江②)

女子だったら、ダブルスとシングルスに出てる子が3人もいる。

その中で誰かを選んだのなら納得するのに。

その場で座り込んで、膝を抱えてため息をつくと

「のぞみん?」

不意に呼び掛けられて、声の方向を見た。

「絢音ちゃん…」

「どうしたの?」

私の顔を覗き込むように首を曲げている。

「ん…試合、出れないなって」

足を指差しながら言えば、絢音ちゃんは「あぁ…」と声を洩らし

「そんなに試合に出たかったの?」

分かってるくせに意地悪な質問をしてきた。

「…出たかったよ?」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ