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好き心少なからず

第37章 球技大会11(宇野)

……あーあ。

相手コートで転がるボールを目で追いながら、心の中でため息をつく。

負けちゃった、か。

ラケットを両手で持って、ぐいっと背中を伸ばしていると、後ろから八神の声がした。

「宇野くん、ごめんなさい!!」

振り向けば、八神が頭を下げていた。

え!?

いやいや、謝らなくても!!

「いいって。八神のせいじゃないって」

慌てて手を振って八神を励まして…

励ます?

いや、違うだろ?

負けた原因は八神じゃなくて…むしろ、俺だ。

気が焦ってたのかもしれない。

ミスってたのは事実だし。

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