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好き心少なからず

第38章 法事~曽根崎×二階堂~

「て言うか…迷うものがない」

は?

タエの言った意味が分かりづらくて、眉を上げて見返すと

「昔はね、パティシエだとか看護師だとかになりたかったよ?」

「ああ…小学生の頃、そんな事言ってたわね」

「でも現実が見えてくるとさぁ、看護師は血を見るの嫌いだから無理とか、パティシエは絵を描くの苦手だから色彩感覚ないと厳しいって言うし…」

そこまで一気に話すと、はぁーっと大きなため息をついた。

「先が見えたかなーって…」

「お前な…」

タエの考えに、こっちこそため息をつきたくなる。

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