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好き心少なからず

第6章 読書タイム~栗原×速水~

近くまで行って、衿についているクラスバッチを見れば分かるんだけど…いかんせん、その勇気はない。

この人との出会いは、1年前。

1年生の俺は、今と同じように通学中に本を読んでいた。

ふと顔を上げたとき、気になるものがあった。

あ…?

その時目についたのは、あの人が読んでいる本。

前に読んだことがある本だ。

作者の独特な言い回しと、エッセイというには常人は体験しないだろう日常を綴った話で、結構引き込まれた。

そんな事を思っていると。

彼女がピクピクと肩を揺らし出した。

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