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好き心少なからず

第6章 読書タイム~栗原×速水~

だけど…

「ごめんね。置いてないみたい」

橘さんが端末から顔を上げて答えると、彼女もしょんぼりして…

「俺、持ってます!!」

気付けばそんな事を口走っていた。

「え!?」

「読みたいなら貸します。…ってか、読んで欲しい」

驚く彼女に、興奮したまま話しかけた。

「その話、俺も大好きな話で。ミステリーなんだけど、妙にもの哀しくて切なくて。主人公に共感できてハマるって言うか…」

まくし立てるように話してしまい、ハッと気付いた時には、彼女が半歩後ろに下がっていた。

まずい。やっちまった…!

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