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好き心少なからず

第6章 読書タイム~栗原×速水~

「そう思ってもらえて嬉しい」

にこっと微笑んだ表情に、心臓を射抜かれた。

あまりの衝撃に何も言えなくなると、橘さんが

「ゆずちゃん、返却?」

「あ、はい」

彼女が出したのは、今朝バスの中で読んでいた本。

ここで借りたんだ…。

「あら、こっちは栗原くんの大好きな作家だ」

本を見て橘さんが呟いた。

「この作者の本で、『ラバー・ソウル』って置いてます?」

彼女の問いに、鼓動が跳ねた。

彼女もこの作家を気に入ってくれたのか…。

「ちょっと待っててね」

橘さんは端末を操作した。


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