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短編集

第1章 どれがすき?

「ねぇ…ちょっと」

彼の始まりはいつも突然。
ソファーでお笑い番組を見てゲラゲラ笑っていた私の手首を掴んだ。
右手に持っていたリモコンでテレビを消すと、そっと唇がふってきた。

「…ん」

ついばむ音が急に静かになった部屋に響く。
腰に回された腕に立たされ、ベットへ連れていかれた。

侵入してきた舌が器用に私を絡めとり、卑猥な音をあげる。
さっき一緒に食べた、桃ゼリーの味。

璃空は変態だと思う。
だっていちいち仕草とか息づかいがエロい。

目鼻立ちがしっかりして、クールな顔つきの癖にすぐほっぺた赤くなるなんて可愛すぎる。

璃空の首に腕を回し、頭を撫でる。

「…んっ」

下唇を甘噛みされた。

腰を掴んでいた右手がそっと離れ、璃空のポケットからなにやら黒い布がでてきた。

「なにするの?」

「…………」

璃空は無口のまま、私に目隠しをつけ、押し倒した。

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