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「じゃあ夕飯頂こうか?」
ぱぁあっと笑顔になるタケル。迅は抱き締めたい衝動を必死に抑える。
電車を降りてタケルの住んでるマンションに向かう。
「肉じゃが食べたい」
「良いよ、材料も確かあったはず」
「手作りの料理を食べるのは久しぶりだな」
迅は暮れ始めた空を見上げながら云う。
「……普段はどうしているだよ?」
「ほぼコンビニ弁当…毎日作るの面倒なんだよ、途中で勉強したくなる」
「勉強も良いけど体調崩さないようにね」
うーんと背伸びをするタケル…以前は漠然と良い大学出て良い企業に就いて…そのくらいしか考えてなかった迅だが今は良い大学出て良い企業に就職してタケルを甘やかしたい。
「じゃあご飯作るからゆっくりしてよ」
部屋に上がるとタケルはそう云ってキッチンに向かう。手持ちぶさたに陥った迅は参考書を開く。
「…ん、迅…迅…」
「あれ?タケル?」
勉強に夢中になって迅にタケルは苦笑する。
「ご飯できたよ」
「あれ?もう?」
迅は5分くらいしか経っていない云うとタケルは乾いた笑みを浮かべもう30分経ったよと云う、迅は壁にかかっている時計を見ると確かに30分くらい過ぎてたいた。テーブルにはすでにご飯が用意されている。迅のリクエストの肉じゃがだけではなく、サラダや味噌汁などもある。
「…どう?」
じゃがいもを口に運んだ迅にタケルは恐る恐る訊く。
「うん、美味しいよ、タケルって意外に料理上手なんだね」
迅は素直な感想を云うとタケルは顔を真っ赤にして俯いた、そう云う反応がいちいち可愛い。迅は何度かおかわりを頼み夕飯を終える。
「ふぅ…食った食った」
こんなに食べたのは久しぶりだなと迅は思った。
「今日はもう遅いけどどうする?泊まっていく?」
あからさまな誘いに迅は顔をひくつかせる。
「いや…その…」
「……ダメ?」
「良いよ」
悲しそうな目をするタケルを見た瞬間、迅の口は勝手に動いてた。
「じゃあ先にお風呂済ませておいてよ」
タケルはそう云って食器の後片付けを始めた。