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原稿用紙でラブレター

第6章 愛情目盛





「わっ…!」

「にのちゃん!ほんとにいいのっ?」


両手で頬を包み込まれてきらきらした眼差しを向けてくる相葉くんは。


やっぱりまだ赤い顔を更に上気させて前のめり状態。


こんなリアクションされちゃったらもう後にも引けない。


こくりと頷けばくしゃりと綻んだ顔が目一杯映ってこっちまで緩んでしまいそう。


俺だって望んでいたこと。


いつだってどんな時だって相葉くんの傍に居たい。


でも心のどこかで"セーブしなきゃ"って。
"俺がちゃんとしなきゃ"って変に年上ぶってたのかもしれない。


でもやっぱり。


相葉くんの前ではそんなことしたって意味がないんだって。


この笑顔を見てたらそう思うしかないんだ。


「うわっいいの?やっべ、ちょー嬉しい!」

「ちょっ…」


マシンガンのように喜びを露わにしたかと思ったらまたぎゅっと抱き締められて。


どくどくと伝わる心音と籠る熱。


この温もりにいつまでも浸っていたいと思うのは嘘じゃないから。


「…にのちゃん」

「うん…?」

「俺…頑張るから」

「…え?」


さっきのテンションとは違う、落ち着いたトーンで溢した言葉。


「にのちゃんみたいな先生になりたい。大ちゃんみたいな…松潤みたいな先生になりたい」

「…相葉くん」

「頑張るからさ。だから…一番近くでずっと見てて」


ぎゅうっと力を込めて告げられたそのフレーズは。


確かな決意と未来への約束。


いつの間にこんなに頼もしくなったのかな。


そんなこと言われたら嬉しいを通り越して泣けてきちゃうじゃん。


大丈夫だよ。


今までもこれからも。


「…居るよ、ずっと。相葉くんしか見てないから」

「っ、にのちゃん…」


どちらともなく離れた体。


潤んだ瞳の先にはしっかりと俺だけが映って。


ゆっくりと近付く唇を迎え入れれば伝わってくる溢れそうな愛情。


相葉くん…


「……ぁ。あーっ!」

「っ!」


いきなりガバっと引き剥がされ何が何だかな状態。


「ごめんチューしちゃった!風邪移っちゃう!」

「えっ…うわっ!」

「うがい!消毒!早く来て!」


バタバタと引きずられつつ、思うことはやっぱり。



これからも相葉くんとずっと一緒に居よう。


…俺の確かな決意と、未来への約束。



end

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