テキストサイズ

Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第13章 遺された・・・意味

『お父さ~ん?ケイゴくんよ~』



『・・・』



リビングのソファから立ち上がって

オレの方を向くお父さんに

オレは…開口一番




『おじさん・・・あの時は

本当に・・・すみませんでした』




お母さんと同じように

お父さんに…深く頭を下げて詫びる



『・・・』



『ケイゴくんっ…~ほら、もう

そんな事しないで?・・・あなたの

あなたの気持ちは…私たちだって…ね?

ほら・・・お顔あげてちょうだい』





『・・・』



オレの気持ち・・・



そうか


…なんて、今さらじゃないけど




あの葬儀の場で

あんな…辛い場所でも


この人たちは



誰よりも悲しくて辛いはずの

このご両親は



オレの気持ちを…察して

許してくれていたんだ。




カンナのお父さんの表情

それから、お母さんの言葉で


オレは…それを確信に変えて



もう一度、お父さんの方に向き直る




『おじさん・・・オレ本当にバカだから

考えなしって言うか…あんなこと

だけど・・・、その…なんて言うか

おかしな言い方だと思うんですけど

あの時は・・・ありがとうございました』





胸につっかえてたものが取れる


そんな思いを感じながら

オレは…言うに言えなかった思いを

ようやく、カンナのお父さんに伝えた




厳格そうで、口数も少ない

そんな彼女のお父さんの



一瞬、一瞬に見え隠れしていた


その・・・懐の広さや男気に


礼を示して。







『よく・・・来てくれた。

顔を…見てあげてくれ』




お父さんはそう言うと

部屋の奥を差して

カンナの…仏壇の方に

視線を向けた

ストーリーメニュー

TOPTOPへ