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Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第13章 遺された・・・意味

今さら、のこのことなんてヤツだ!

…なんて、言われるくらいの
覚悟してたけど

意外すぎるくらい、意外だった
彼女のお父さん。


…と、言うより
冷静に考えれば

そんなこと、どうでも・・・

それどころでないのは当然だよな。



竹刀振り回して一喝してる

そんな姿が懐かしいくらい


どこか、やつれて

元々少ない口数が…さらに少なくなった

カンナのお父さん。




最愛の娘に先立たれて

その絶望感や悲しみは


この人の気持ちこそ

∥誰にもわからない∥と

叫びたくなる

底知れないものだと思った。





誰かを失う悲しみの悲惨さを

オレは、ここでも思い知る。







∥カンナ・・・∥



オレは通された仏壇の前に正座して

遺影のカンナを見つめる



∥ごめんな・・・今頃になって∥



自分の悲しみばかりに

心を閉ざして

塞ぎ込んでいたこの何ヵ月




線香の煙と…生前の彼女の笑顔を見つめ




オレは・・・やっと


初めてカンナに、そっと


手を・・・合わせた。

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